1979年、グラム・ロックからの流れを強く感じさせるニューロマ・バンドとしてイギリス北部の田舎町で結成されたUltra North。当時、世界の中心だった街、ロンドンへの憧れを強く感じさせる、ゴージャスでスタイリッシュなヴィジュアルとサウンドで世間をアッと言わせるデビューを果たしたものの、バンドのカラーを担っていたギターの脱退などにより、活動は長いこと低迷していた。そして1988年、新たなギターを迎え、9年ぶりに発表された彼らのセカンド・アルバムは、デビュー時のグラマラスなサウンドは健在だったものの、押し寄せる轟音ギター、静と動のコントラストなど、シューゲイザーの要素が強く、再びファンを驚かせた。グラム・ロック+ニューロマンティック+シューゲイザー、70年代と80年代のサウンドの奇妙な組み合わせは世間をザワつかせ、彼らは音楽シーンに再び革命を起こしたのだった。